
<ラピッドプロトタイピングについて>
不安が開発を踏みとどまらせる
今という時代、それは霧が深く立ち込めていて、先がとても読みにくい時代と言ってよいでしょう。そんな時代に、長い時間と大きな投資リスクを負って新しい機器を開発することは、とても難しいことだと言えます。もし、失敗したら取り返しのつかないことになってしまうという不安といつも隣り合わせで仕事をしなければなりません。こうした不安は、開発を直接担当する技術者だけのものではありません。会社のリソースを配分する経営者や投資家だって同じことです。いや、最終的に全ての責任を負わなければならないという意味では、後者の方が大きなストレスの中におかれるといっても良いでしょう。
技術開発:作りたいモノのイメージを具体化していくプロセス
こうした不安は、一体どこから生まれるのでしょうか。私たちは、プロジェクトのステークホルダーの間で「何を作るか」というイメージを共有できないことが大きな原因ではないかと考えています。どういうビジネスをするのか、あるいはどういう機械をつくるのかということを、できるだけ具体的な形にすることが、とても大切なことのように思えてなりません。技術開発の本質は、そのプロジェクトに参加する人々の心の中にある「作りたいもの」のイメージを具体化していくプロセスと言っても過言ではないでしょう。
チャンスは一瞬
誰でも「こんなモノがあったら良いのになあ」と思う瞬間があるでしょう。それが、多くの人々に共通する思いであれば、それを逃さずつかむことがビジネスとして成功するチャンスなのです。しかし、そういう思いは、さざなみのようにふっと現われては、また消えていってしまうものなのです。まだ十分には具体的なイメージとはなっていない瞬間のニーズをつかまえてモノとして提示すること、それが今最も求められていることなのです。
ラピッドプロトタイピング
モノを作るためには仕様を決める必要があります。しかし、最初から仕様が決まっていることはまずありません。特に抽象的な製品イメージを具体化する場合には、細かい仕様は却って邪魔になると言ってもいいかもしれません。最低限の機能で実際のモノのイメージを具体化する。それがラピッドプロトタイピングなのです。
どうやってスピードを上げるか
ラピッドプロトタイピングでは文字通りスピードが命です。細かい性能より速くモノを作ることに重きが置かれます。それでは、どうすればスピードが上げられるのでしょうか。センサの開発では、ニーズが異なれば開発のプロセスも当然異なると考えがちです。しかし、良くみると案外同じようなことを繰り返していることに気がつきます。例えば、センサからの信号をマイコンに取り込んで処理をすること。あるいは微小な信号を増幅して大きくすること。その信号の物理的な意味が何であれ、一旦電気信号になってしまうと殆どの場合似たような処理を行っているのです。そうした開発毎に同じように行う部分を抽出し、共通のプラットフォームとしてしまうことが、プロトタイプのスピードアップには重要です。そうしたプラットフォーム作りの一環としてRAINBOW7 は位置づけられているのです。まさに虹のようにいろんな色に染めることのできるプラットフォーム、そんな思いがこの装置には込められているのです。
プロセスのストック化
ラピッドプロトタイピングの考え方は、別の見方をするとセンサ研究開発というプロセスをストック化していくこととも言えるでしょう。様々なニーズを具体的な形にしてくための目に見えない方法論を、開発プラットフォームという目に見えるモノとして固定化することこそが、ラピッドプロトタイピングの本質なのです。