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-連載企画- 非破壊検査入門 第3回 渦流探傷試験 前の回へ 次の回へ

 

 

設備の老朽化に対応していくことは、今や日本の最重要課題の一つと言ってもいいでしょう。設備の更新を適切かつ効果的に行うためにも、その設備の劣化状況をきちんと検査することが大切です。この企画では非破壊検査のグループ専門会社である東京理学検査さんの協力を得て、分かりやすく非破壊検査技術をご紹介することにします。

前回は超音波による検査技術について解説しましたが、第3回は渦流探傷試験について説明しましょう。

 

渦電流について

電線をループ状に巻いたものをコイルと呼びます。このコイルに電流を流すと磁場ができます。子供のころに釘に電線を巻いて電磁石を作ったことを思い出される方もおられるでしょう、そうあの原理です。このコイルを導電性の試験板に近づけると、コイルの作る磁場によって試験体の中にやはりループ状の電流が流れます。ループ状に流れるので渦電流(うずでんりゅう)と呼ばれています。



コイルと渦電流

 

渦電流が流れる試験体の表面近くに割れなどの欠陥があると、それが渦電流の流れを邪魔し、コイルから見ると抵抗が大きくなったように見えるのです。この原理を使って試験体の表面近くの欠陥を発見するのが渦流探傷(かりゅうたんしょう)法です。



欠陥の有無による渦電流の流れ方(イメージ)

 

渦電流について

渦流探傷法では、直接試験体に接触せず探傷ができ、また電気的な原理を使っているので高速に検査をできるなどの特長があります。しかしその反面、いくつかの制約も存在します。

 ・渦電流が流れる必要があるため、導電性の材料しか検査できない。(鉄やステンレスなど)
 ・ 表面近くの欠陥しか見えない。
 ・ 欠陥以外の材料的要因によっても影響を受けることがある。

一般には、管材、棒材、線材などの製造検査や熱交換器の細管などに使われることが多いようです。

渦流探傷法の応用例

フレキシブルコイルを使ったタービンローターの欠陥探査

処理前 処理後
渦流探傷の活用事例

複雑な形状のタービンローターを水を使わず検査するために渦流探傷法を採用しました。フレキシブルコイルという特殊なコイルを使って2×1mm程度の極小割れを検知することができます。

 

非破壊検査に関してのご相談は、お気軽にこちらまでご連絡ください。

参考文献:
(1) 日本非破壊検査協会: 非破壊試験概論 1993
(2) イラストで学ぶ非破壊試験入門 平成元年

 

 

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