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第5回

 

 

 

第5回: アレニウスの式
 

アレニウス?
さて今回はアンケートの結果をどのように分析するかという核心の部分を議論していきます。ここでは、まず化学反応の分析でよく使われるアレニウスの式というのを使ってアンケートを分析してみることにします。ちなみにアレニウスはスウェーデンの科学者で物理学・化学の領域で活動した人です。物理化学の創始者の一人といってもいかもしれません。1903年に電解質の解離の理論に関する業績により、ノーベル化学賞を受賞し、炭酸ガスの温室効果について初めて言及した人としても知られています。

 

化学反応の式
さて、化学反応において、その反応が進む速さ、つまり反応速度をv、反応する前の物質をそれぞれA,B,C…とし、それぞれの濃度を[A],[B],[C]…とすると多くの場合においてv=k[A]a[B]b[C]c…と表されます。このときのkを速度定数といいます。速度定数は温度と活性化エネルギーに依存することが知られていますが、その仕組みは未だ解明されていません。(解明されていないんだから、そういうものと思ってください。考えても無駄です!)まあ、式が出てきてちょっと難しいですが、

反応の速度定数 kは

 

A:温度に無関係な定数(度数因子)
E:活性化エネルギー
R:ガス定数
T:温度

 

であらわされます。反応速度は温度が高く、活性化エネルギーが低いと大きくなることになります。

アレニウスの式を自然対数の形にすると

となり、下のように変数をとれば対数グラフで y=mx+b の直線になります。

y = ln(k)
b = ln(A)

この形式で描いたグラフはアレニウスプロットと呼ばれ、このプロットにおける直線の傾きから反応が進行するために必要な活性化エネルギーを求めることが出来ます。

 

化学反応と人の行動の類似性
化学反応というのは、たくさんの(本当にたくさんの)分子が入り混じって変化が生まれていくわけです。その際にその場の温度と反応の進み易さを表す指標(活性化エネルギー)によって、反応過程をモデル化しようとしたのがアレニウスの式です。

化学反応と組織における行動の類似性

 

この化学反応は、職場において未活性な人が活性化された人に変化していくプロセスが速度定数とも言える定数(ここでは現場力)によって定式化され、さらにそれが化学反応同様、活性化エネルギーと温度(ここでは職場活性度)によって決まるという風に考えてみたのです。もうちょっと具体的に言うと、職場で活性化されていない人の人数を【反応前】とし、活性化された人の人数を【反応後】とすれば、両者が

   【活性化された人】=現場力(E,T)×【活性化されない人】

というプロセスで表されると考えるのです。
当然次に疑問となるのは、人的なプロセスにおける活性化エネルギーとは何かということで
しょう。次回はこの化学反応プロセスを職場における現場力発揮のプロセスと重ね合わせることによって職場を活性化させるための「活性化エネルギー」を考えてみることにします。ご期待ください。

 

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