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発 明 の 分 析
〜 特許へのプロセス 〜

 

 第2 発明を再定義しよう

 

第1回では、発明の目的や構成要素などの分析を行い、 改めて発明の認識を行いました。

そこで、第2回では、ステップ1の静的分析をもとに、機能や作用を組み合わせて同等、あるいは新しい機能・作用をもたらす構成を考えてみましょう。

各構成要素については第1回をご覧下さい

 開発技術の概要

省エネルギーの手段の一つとして、しばしば利用される蓄熱システムに用いることを目的とした蓄熱パネルに関する発明です。

特に食品などを保温するために蓄熱材として食用の油を用い、これをパネル状にして利用することを考えました。

発明のイメージ図

 


 

 分析

 

  ステップ 2 : 発明の動的分析 (評価)

 

 【動的分析1】

 

 

潜熱を利用して熱の放出・吸収を行う(ア)

食用油の持つ熱を表面に伝える(カ)

外部の熱を蓄熱材に与える(キ)

蓄熱材に熱を与えることにより溶かす(ス)

金属繊維等を食用油と一緒にいれることによって熱伝達を促進する構造

 

 

最初の発明では、熱の伝達は蓄熱材自身を通しての伝熱しか考えていませんでしたが、構成要素の機能・作用を分析し、金属繊維という新しい構成を組み入れることによって以下のような新しい機能・作用が生まれました。
新たな機能 ・ 作用  熱伝達の向上 温度安定性の向上

 

 【動的分析2】

 

食用油を外気から分離する(オ)

温度/相変化に伴う体積変化を吸収する(ク)

蓄熱材に熱を与えることにより溶かす(ス)

チューブと袋を一体にした構造

 

蓄熱材を入れる容器と熱交換をするために、今度は熱交換用チューブと袋を一体構造にするというアイデアが生まれてきました。こうのようにすると以下のような機能・作用が付加されることになりました。
新たな機能 ・ 作用 : 加熱に必要な蒸気量の減少、熱交換時間の短縮

 

 

 【動的分析3】

仕切りにより蓄熱材が漏れた場合の被害を最小限に抑える(シ)

蓄熱材に熱を与えることにより溶かす(ス)

壁の一部に穴をあけ、壁部だけに蒸気を流通させる。

新たな機能 ・ 作用 

 加熱に必要な蒸気量の減少、熱交換時間の短縮

 

 【動的分析4】

 

外への熱の流出を防止する(サ)

袋の外側に発泡スチロール・布などを貼る

新たな機能 ・ 作用 

 外的な断熱構造が不要になり蓄熱ユニット単体で
 全ての機能を有する。

 

 

 【動的分析5】

 

動的分析2で出てきた「チューブ」についても、分析をしてみましょう。

機能・作用

  • 温水・蒸気を循環させる(セ)
  • チューブの壁を通して熱を蓄熱材に与える(ソ)
  • 蓄熱材同士を接続する。(タ)

ここで、(タ)の蓄熱材同士を接続するという機能は、連続したチューブでなくてもチューブをコネクタのような構造でつなげて使っても良いことに気がつきました。そのようにすることによって、個々の蓄熱容器が脱着可能になるという新しい機能も付加されました。

 

 

 

【 発明の再定義 】

 

 


以上のように分析していくと、この発明のエッセンスは、

「急速蓄熱・緩慢放熱を目的としたモジュラー型の蓄熱パックシステムである」

と考えた方がより的確にこの発明を表現することができることに気がつきました。

 

 

 

 

 

 

本発明は、東京ガス株式会社および株式会社東洋製作所、日清製油株式会社の3社の共同出願です。
本コンテンツの掲載を許可してくださった2社に感謝いたします。

本コンテンツの特許の分析に関しては、秀和特許事務所 遠山弁理士のHPを参考にしています。

 

 

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