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誘電率による生物活性の計測について

 

 

最近は、TGEの周辺でもバイオマスの有効活用のために微生物を使った技術に関する話題をよく聞きます。例えば消化槽と呼ばれる大きなタンクの中で微生物を使って食品残渣などを分解して可燃性ガスを生成したり、下水処理などのプロセスでは、ばっき槽と呼ばれるタンクでエアをバブリングしながら水の浄化を行ったりします。

これらの微生物の応用では、通常、処理温度、pH、光、酸素量などのパラメータをコントロールして適性に微生物が活動するようにしています。しかし実際に微生物がうまく活動しているかどうかは、発生したガスの成分を分析するなどの間接的な方法によっているのが現状ではないでしょうか。

発生するガスによる微生物の活性評価は、どうしても時間的な遅れを伴ってしまいます。もっと直接的な評価方法はないものかということで、電気的な性質のひとつである誘電率を用いて微生物の活性評価を行いました。

誘電率について

誘電率というのは、分子の分極(+と−に分かれる性質)の程度をあらわす指標です。例えばもっとも身近にある水(H2O)、は水素がプラスに、酸素がマイナスの電気を持っており、それが両極に分かれているために大きな誘電率(約80)を示します。これに対してガソリンや灯油などの油は、殆ど分極がなく、誘電率も1に近い値を示します。水と油が交じり合わないのは、このように誘電率が大きく異なっているからです。微生物に限らず生物の活動は、水と非常に密接な関係を持っていることから、もしかすると微生物の活性と誘電率の間に、何らかの関係があるのではないかと思い、実験を行ってみました。

 

実験

身近にある微生物ということでスーパーで買ってきたヨーグルトを使いました。ヨーグルトと牛乳を(3:7)混ぜてガラス製の容器に入れ、棒状の電極をさして誘電率(静電容量)の測定を行いました。電極はさびたりしないようにプラスチックのカバーで覆ってあります。(写真では赤と黒の被覆が見えます。)

 

 

 

実験結果

縦軸は誘電率センサの出力ですが、誘電率の絶対測定は行っていませんので数値そのものには意味はありません。相対的な変化を見てください。

  • まず、ヨーグルトと牛乳を混ぜて10℃から25℃まで変化させると徐々に誘電率が増加しているのがわかると思います。
  • 25℃まで行ったところで85℃まで温度を上昇させました。それから冷まして再び25℃に戻ったところで再度誘電率を計測しました。明らかに誘電率の指示がダウンしたことが確認できました。

温度の変化や他の化学的な変化の影響を完全に除去しきれているかが不明なのですが、高温処理後に誘電率が大きく変化したことは、誘電率が何らか生態活動に関与しているのではないかと考えています。

精度の誘電率計測からスタートして、もしかしたら誘電率が生物の活性を図ることができないかというナイーブな発想から得られたデータです。応用先も含めてこの現象に関する情報を歓迎します。

 

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