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表面処理方法と塗膜強度の関係

 

 

塗装の長寿命化は下地処理がポイント

鉄などでできた構造物の表面には、内部を保護するために表面に塗装がしてあります。塗装がいつまでも持てばよいのですが、長年の風雨にさらされることによって段々劣化していくことは避けられません。そこで定期的に塗装のやり直しが必要となりますが、塗りなおしに先立って、以前あった塗膜をきれいに除去する必要があります。これまではディスクサンダーと呼ばれるヤスリのついた電動工具で表面を削ったり、砂の粒を打ちつけるサンドブラストという方法が使われていました。ここでは、これらの従来工法とTGEで推進しているサーブラスト工法(ウォータージェット工法)を比較してみることにします。

下地施工後の表面の様子

図1 各種処理後の鋼表面の写真

表面に錆が発生した鋼板を各種の方法で下地処理してみました。

1. ディスクサンダー
2.サーブラスト(ウォータージェット)
3.サンドブラスト

で処理した後の表面の様子を示します。ディスクサンダーで処理した場合には、凹部に残った錆が取りきれずに表面に残っているのがわかります。また、表面を削ってしまうため元々鋼板の表面についていたアンカーパターンと呼ばれる細かいデコボコが部分的に削れてしまっているのもわかると思います。アンカーパターンは、塗装をした時に塗料の付着をよくするために重要な役割を果たしており、このパターンが削れてしまうと、後で再塗装した場合の塗装強度に影響することが考えられます。一方、サーブラスト工法による施工では、細かいところまできれいに錆が除去され、アンカーパターンもしっかりと残っているのがわかると思います。これらのサンプルの凹凸を数値化したものが図2です。表面の様子が良くわかると思います。

 

 

 

図2 各種処理後の表面の粗さの数値化

塗膜剥離試験

サーブラスト工法で施工した鋼板とディスクサンダーで施工した鋼板に塗装を施し、十分に乾燥した後、塗装膜の強度を測る「塗膜剥離試験」を行いました。塗膜剥離試験は、塗装の表面にアルミの円柱を貼り付け、表面から治具が剥がれるまで引っ張ります。そのときの引っ張り力および塗膜の破断状況から塗膜の強度を推定するものです。

図3 塗膜剥離試験

両方のサンプルとも剥離強度は十分にありましたが、剥離した面を観察すると明らかに異なる結果が得られました。図4に剥離した面の写真を示します。

 

図4 塗膜剥離試験の結果

ちょっとわかりにくいですが、サーブラスト工法で剥離試験をしたサンプルの塗装膜は、きれいな茶色をしているのに対してディスクサンダー工法によるものは黒ずんだ色をしているのがわかると思います。サーブラスト工法によるサンプルでは、塗膜が強固に鋼面に接着しているため塗膜が鋼面から剥離せず、最終的に塗膜の内部から剥離が起きたことを示しています。これに対してディスクサンダー工法では、塗膜と鋼面の境界から剥離が起きているため、鋼面に残っていた錆が一緒に剥離して黒ずんだ色になっているのです。図5に上記の説明を図にしましたのでご確認ください。

図5 剥離結果の解釈

終わりに

この実験は、塗層後約1月で行ったものですが、サーブラスト工法による塗膜とディスクサンダー工法による塗膜には明らかに質的な差があることがわかりました。以上の結果を総合するとサーブラスト工法による塗膜の剥離が、塗膜の耐久性をこれまで以上に伸ばしてメンテナンス費用を削減するための強力な武器となることを強く示唆していると言えるでしょう。本工法についてのお問い合わせはこちらまでお気軽にお寄せください。

※本コンテンツは、東日本旅客鉄道(株)(JR東日本)殿と東京ガス・エンジニアリングの共同開発成果です。

※技術協力:タックコーポレーション

 

 

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