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サーブラストによる塗膜剥離システム

 

 

鋼構造物(ガスホルダーや橋梁等)は、錆びなどによる劣化を食い止めて長く使うために塗装を行ないます。
しかし、塗装も永久に持つわけではないので定期的に塗り直すことは避けられません。もちろんペンキを塗り替える時は、それまでの塗膜を剥ぎ取ってから施工をする必要がありますが、この塗膜の剥離をいかにきれいにきちんと行なうかで、新たな塗膜の持ちが全然違ってくるのだそうです。
ここで紹介するサーブラスト工法は、超高圧の水を使って塗膜を剥離する方法です。排水を外に漏らさない方式であるため、環境への影響が少なく、また装置が小型で施工が容易などの特長を持っています。

 

1. システムの概要

サーブラスト工法では、高圧水ノズルが取り付けられた遠隔操作型の自走ロボットを用い、塗膜を水の力ではぎ取ります。高圧水ノズルは密閉された吸盤構造のなかで噴射するので、外に水が漏れることはありません。塗膜を高圧の水流で剥離し、ロボット支援装置で塗膜混濁水を吸引ホースで真空引きして回収します。回収された濁水は、専用のフィルターで塗膜片を漉し取り、残りの濁水を廃液処理装置で処理します。処理後の排水は、水質汚濁防止法の排水基準を満たしており、そのまま現場で下水に流すことができます。

 

@ 吸着自走ロボット

  ロボットは、遠隔操作で処理物の表面に吸着・移動し、回収された廃水を廃水処理機に送ります。

外形寸法:755×600×400mm
重  量:75kg
研 掃 幅:210〜280mm
水  量:35L/min(最大)
走行速度:0〜6m/min

写真1:吸着自走ロボット

 

A ロボット支援装置(塗膜濁水バキューム回収装置)

  支援装置は、吸着自走ロボットを地上で支援します。

外形寸法:2500×2500×2300mm
重  量:3000kg
風  量:20m3/min
真 空 圧:-0.06Mpa
排水能力:35L/min
写真2 ロボット支援装置

 

B 廃水処理装置

 廃水処理装置は、吸着自走ロボットで回収された廃水を連続して水と塗料紛に分離し、水は排水基準で排水し、剥離した塗料紛は脱水して産業廃棄物として処理します。

外形寸法:2000×2000×2100mm
重  量:2300kg
廃 水 量:1200L/Hr
真空ポンプ:-0.06Mpa

写真3 処理前
写真4 処理後
写真5 廃水処理装置

 

 

2. 現場への適用例

ガスホルダーは、安全性を確認するため、10年周期に自主的な解放検査が行われます。
検査の対象は、ガスホルダー内・外面の溶接線で、磁紛探傷法を用いて溶接部の欠陥や劣化度合いを検査します。その前工程で対象の溶接部の塗膜を剥離する必要があり、その際サーブラスト工法を使って塗膜剥離処置が行なわれました。平成11年より実用化し、球形ガスホルダー(直径15〜35m)24基の剥離実績があります。

写真6 ガスホルダーへの適用例

 

【本システムの特長】
  

@ 廃棄物量は、従来工法に比べ、1/60に減量。
  (10万M3ホルダー:サンド工法150トン ;本工法2.5トン )
A 工期は、従来工法の80日から50日に短縮。
B 騒音は、従来工法100dB以上から84dBに低減。
C 重金属を含んだ塗料を完全回収。
D 水質汚濁防止法の規制値以下の廃水処理により、現場で下水放流が可能。
E 仮設足場の必要範囲が削減し、養生費および産廃処理費が削減。

なおサーブラスト法を用いた塗膜剥離方法によっても、従来のブラスト法と同様の塗膜品質が得られることが確認されています。

 

3. まとめ

写真7 剥離塗装粉(産業廃棄物)

 鋼構造物の維持管理を進めていく上で、環境面や安全面を含めて、従来工法に比べて廃棄物量・工期など大幅に改善でき、塗膜品質も十分に確保できるサーブラスト工法は非常に魅力的な工法です。今後はガスホルダー以外の構造物へ適用を拡大していく予定です。

サーブラスト工法は東京ガス(株)、東京ガス・エンジニアリング(株)の共同開発品です。

 

 

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