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ビスコウエーブを使った飲料の腐敗評価

 

 

食品を取り扱うにあたっては食中毒の防止が大きな課題です。暑さなどによる腐敗を防ぐためにはしっかり加熱して細菌を死滅させられれば良いのですが、乳飲料などのように高温加熱することのできない食品も少なくありません。

一般に飲料中にどの程度の細菌がいるかは培養によって推定することができます。しかし、培地にサンプルを付着させてから恒温槽の中に何時間も放置しなくてはならず、培養法は製品の全数検査などには不向きです。

液体によっては腐敗が進行するに伴って次第に粘度が高くなることが知られています。それなら非接触液体粘性チェッカーのビスコウエーブを使えば非常に簡単に液体中の細菌数を推定することができるかもしれないと思い、実験を行いました。

実験1:

ステップ1(サンプルの準備)
自動販売機で購入した乳飲料を別の容器に入れ外気に1時間ほど暴露します。空気中に浮遊している細菌が飲料に導入されます。

ステップ2(細菌の計測と粘度評価)
温度が常温になったことを確認してビスコウエーブで粘度を評価します。15tのサンプルを専用の容器に入れて計測します。この時、培養法による菌数の測定も併せて行います。培養は37℃前後に保持した恒温槽の中で行われ、結果は24時間後にわかります。残った飲料は元のペットボトルに戻して常温で保存します。

ステップ3:
この作業を数日間繰り返して行います。飲料の様子も目視で確認します。

結果
実験の結果をグラフに示します。実験開始の当日と翌日までは細菌は殆ど検出されませんでしたが、その後急速に増加し腐敗が進みました。見た感じも一部の成分が分離した様子が確認されました。ビスコウエーブの計測値も、細菌数の増加に伴ってほぼ直線的に数値が減少していくことが確認されました。培養法では十分に確認できなかった初期の細菌増加の様子も良く検知できていることが興味深いです。

実験2:

同様の実験において細菌の種類を変えて行いました。実験1のように外気に長時間飲料をさらすのではなく、解凍肉から出た汁(いわゆるドリップ)を飲料に加えて実験してみました。具体的な菌種は不明ですが、実験の方法は前と同じです。

結果
最初は両方とも同じような傾向を示していましたが、肉ドリップを加えた方は3日目に極端に粘度が高くなった後に、逆に粘度が低くなってくる結果が得られました。サンプルの様子を観察すると、腐敗が進むにつれて飲料が分離したことから、固形分が分離したのちに残った液体の粘度が低くなったのではないかと推察されます。

まとめ

飲料の中の雑菌の繁殖に伴って、液体の粘度がどのように変化するかを調べました。わずかな菌の増加による粘度の変化をとらえることができた半面、菌の数が極端に増加すると成分の分離によって逆に粘度が下がることもわかりました。このことからビスコウエーブの計測値を単純に細菌数と関連付けることはできませんが、腐敗の進行に伴って大きく変化する液体の粘度の様子を簡単に計測することができました。ビスコウエーブの新たな応用として期待されます。

 

 

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