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吸着式熱量変動制御技術

 

LNGサテライト基地供給ガスの熱量を吸着材を使って安定化

 

サテライト基地におけるガスの熱量変動

液化天然ガス(LNG)サテライト基地から供給される天然ガスは、気化器の起動停止や負荷変動によってガスの組成が変動します。通常は、大容量のクッションドラムと呼ばれるタンクにガスを通すことによってこうした変動を抑制しています。

LNGガスサテライト基地におけるガス組成変動の抑制。気化したガスの組成をクッションドラムという大きなタンクを通して均一化させています。

 

吸着材による熱量変動抑制技術

熱量変動の原因は、気化ガス中の重質ガス(プロパン、ブタン)の急激な増加にあります。天然ガスの組成に対して最適化した吸着材を使うことによって、こうした熱量変動を抑制することが出来ます。

 

吸着式熱量変動制御のメリット

@合理化メリット
クッションドラムに比較して著しくタンク容積を小さく出来ることから、タンクコストを72%も削減できます。さらに基礎工事費用も低減できる可能性があり、さらなる経済効果が見込まれます。

Aその他のメリット
基地建設の低CO2排出化や景観の保全、さらにはガス流通時の流通音低減など多くのメリットがあります。

 

熱量変動制御の実態

下図は実験室で行った実験の結果です。人工的なガス熱量変動に対して容積1000ccのクッションドラムと30ccの吸着材充填タンクでの出口の熱量をプロットしたものです。吸着材を使うと、わずか30分の1の体積であるにも係わらず、高い熱量変動抑制効果が得られていることがわかります。

 

実績

これまでに表に示す3件の導入実績があります。

導入先 タンク容量 稼動時期
東京ガスサテライト基地 10L '06/10〜'07/03(テスト)
お客様サテライト基地 0.5m3 '08/03〜
東京ガスサテライト基地 1m3 '08/12〜

サテライト基地に設置された吸着式熱量変動抑制装置の様子。巨大なクッションドラムと吸着容器の大きさの違いに注目

 

実際のサテライト基地に設置された吸着式熱量変動抑制装置の出入り口における熱量変動の様子。

 

今後の展開

現状ではまだ試験導入の段階ですが、今後長期における耐久試験、吸着材への重質分蓄積の影響評価を経て、吸着タンクの設計手法の標準化を進めていく予定です。ご質問等がありましたらお気軽にお問合せください。

 

ここで紹介している技術は、東京ガス・技術研究所で開発された技術です。

 


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