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非接触液体粘性計測装置の開発

 

 

粘性計測の概要

液体の粘性は、産業界の様々なプロセスにおいて計測される重要な物理属性の一つです。塗料の粘度調整やスープなどの液状食品の濃度管理、エンジンオイルや調理油の劣化モニターなど、液体の粘性を適当に制御しなければならない分野が多く存在します。粘度を計測する方法はいくつか存在しますが、一般に液体を撹拌する時の抵抗の大きさを測ったり、細いチューブを通過する時間を計測したりするなど、いずれも計測対象に直接接触する必要がありました。これらの方法では、再度計測を行う際には器具をきれいに洗浄する必要があり、手間がかかるうえに連続的な計測が行いにくい等の問題がありました。

従来の粘性測定方法(左から回転式、細管式、落球式)

開発した技術

試作した装置は、密封した容器(不透明でも可)に入れた液体を装置に入れて数秒間振動させるだけで液体の粘性を計測することができます。今回開発した技術は、液体の中に計測するための器具(抵抗体や重り)を入れずに計測を行うことができるため、計測のたびに機器を洗浄する必要がなく、極めて簡便かつ短時間に粘性を計測することができます。

  1. 測定液体に振動を与える。
  2. 振動によって液体の表面に波動が発生する。
  3. 波動の様子を容器の外面に装着したセンサーによって計測する。
  4. 電気信号に変換された波高から液体の粘度を推定する。

 

試作装置の外観

 

液体表面の波動

 

食品の粘度計測

物理現象について

容器に入れられた液体を外部からの比較的長周期な振動によって揺動することをスロッシングと呼びます。例えばロケット内部の液体燃料がスロッシングを起こし、条件によっては、燃料タンクの破壊に至ることもあることが知られています。この装置で観測している物理量も規模は小さいですが(したがって容器の破壊は起きません!)、このスロッシング現象を捉えているということができます。また、センサーはスロッシング波頭を厳密に計測しているわけではなく、液体の変動の空間的な広がりを測っています。従って得られる数値の厳密な物理的な評価は難しいですが、少なくとも粘性によって計測される波形の大きさは強く影響を受けます。本装置は、厳密な粘度の計測装置というよりも、液体製品などの標準値からのずれなどをモニターする装置として考えた方が良さそうです。

容器内の液体を周期的に振動させた時の液体の波動(シミュレーション)
(指導:東京工業大学 香川利春特命教授)

現在の開発状況

本技術には多くの企業からお問い合わせをいただいています。そこで実用化に向けていろいろな測定条件を制御できる機器を開発、測定条件などの検討を行っています。

 

具体的なニーズをお持ちの企業様のご連絡をお待ちしております。ご希望があれば装置の貸し出しも可能です。ご質問等はお気軽にこちらまでお問い合わせください。

 

 

 

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