< Emerging Technologies へ戻る

 

低濃度メタン燃焼システム

 

 

再生可能エネルギーとして注目されるバイオガス

地球温暖化問題を背景として、バイオマスを用いた再生可能エネルギーの利用が注目されています。食品系廃棄物や下水汚泥のメタン発酵によって得られるバイオガスは、ガスエンジンやボイラー等の都市ガス機器に導入することによって電気や熱に変換され、効率的にそのエネルギーが利用されています。


低濃度ガスの処理

地球温暖化問題を背景として、バイオマスを用いた再生可能エネルギーの利用が注目されています。食品系廃棄物や下水汚泥のメタン発酵によって得られるバイオガスは、ガスエンジンやボイラー等の都市ガス機器に導入することによって電気や熱に変換され、効率的にそのエネルギーが利用されています。



図1 バイオガス精製システム
 

低濃度メタン燃焼システム

せっかく発生したバイオガスをオフガスの処理のために使用するのはもったいないことこの上ありません。そんなケチケチ発想から生まれたのが、今回ご紹介する低濃度メタン燃焼処理システムです。

このバーナを東京ガスと共同で開発した、工業用のバーナの専門メーカーのタカミツ工業さんに、この製品について伺いました。

TGE:ちょっと答えにくい質問かもしれませんが、そもそも燃焼ってなんなんですかね?

タカミツ:都市ガスやバイオガスは、文字通りガスですのでそのままの形でエネルギーを利用することはできません。ではどうするかというと、燃焼というプロセスを経て熱という形にエネルギーを変換するわけですね。そのためのメカニズムがバーナということになります。

TGE:なるほど。ではバーナを設計するというのはどういうことなんですか?

タカミツ:バーナの機能は、一言で言えば空気とガスを混合するということです。その割合によってちゃんと燃えたり、燃えなかったりするわけですね。

装置について説明をしてくださった
タカミツ工業の合原さん。

TGE:それだけのことですか?

タカミツ:まあ、そう言ってしまえばそれだけのことですが、ただ混ぜると言ってもガスを混ぜるスピードや流れの形など様々な要素があるんです。また、バーナの用途もいろいろありますから、ニーズにマッチした設計する必要もあります。一点集中でガラスの細工をするバーナもあれば、広い面積を加熱するためのバーナもあります。高温が必要な場合もあれば、輻射熱を利用する場合もあり、バーナの設計とっても千差万別です。

TGE:なるほど奥が深そうですね。

タカミツ:そうなんです。深いんですよ。ちょっと例が悪いかもしれませんが、天然ガスの製造プロセスで扱うのはざっくり言えばメタンガスだけですよね。ある意味純粋なプロセスなんです。不純物を取り除いてちゃんと処理すればいい。言わば「割り切れる世界」なんです。ところが、燃焼というのはガスが混ざるという本質的に不均一なプロセスなんです。いつも揺らいでいて、割り切れない。数字には表せない部分というのが必ずある。

TGE:そういわれると難しそうですね。

タカミツ:結局、数字に表せないから試行錯誤を繰り返してうまくいくまで詰めるしかないんです。正直大変ですよ。困難に直面するたびに失敗を積み上げ知恵で乗り切る。まあ、そこが当社のノウハウになっていくんですが。

TGE:なるほど、今回の低濃度メタン燃焼システムもそういう試行錯誤の中で生まれたんですね。

タカミツ:もちろんです。東京ガスのご担当者といろいろな形式を議論し、空気予熱部の旋回やフィンの設計など、何度もやり直して最適化しました。


 

低濃度メタン燃焼システムの特長

図2 低濃度メタン燃焼システムの概要
図2に開発した低濃度メタン燃焼システムの構造を示します。基本的なアイデアは、燃焼空気をあらかじめ火炎の熱によって予熱することによって、低濃度のメタンガスでも燃焼しやすくするというものです。予熱空気流路断面積を確保し低圧損化することにより、燃焼空気ブロアーを必要としません。バーナ外側下端部の燃焼空気吸入孔より吸引された空気は、バーナの外側に二重管構造で設置された予熱部をガイドに沿って上昇し、ガイド上端部で折り返して高温の燃焼排ガスと熱交換しながら下降、バーナ部へ供給されます。

 

 

運転方法

図3 完成した装置の外観

システム起動時はバイオガスを単独燃焼させることにより燃焼用空気を予熱します。その後、オフガスラインに切り替えることでオフガスの単独燃焼を行うようになります。一旦、燃焼空気温度が所定温度以上に昇温されれば、その後バイオガスは不要となるわけです。なお、吸脱着の際に圧力やガス組成が変動することを想定して、本システムでは、バーナ手前にバッファタンクとガバナを備えています。(図1参照)

 

 

 

 

評価試験

図4 評価テストの様子

模擬ガスを用いて、本バーナの燃焼範囲を計測しました。混合ガス流量を5 m3/h一定として、混合ガス中のメタン濃度を徐々に低下させ燃焼維持可能なメタン濃度を調べたところ、メタン濃度18%まで燃焼が維持され、低濃度メタンでの燃焼が可能であることが確認されました。その際の燃焼排ガス中の未燃メタン、CO、NOx(酸素0%換算)濃度は、ともに20ppm以下で、排ガス性状も問題ないことを確認しました。

※実際のバイオガスの諸条件(水分を含むメタン以外の成分濃度など)により燃焼下限メタン濃度は変動する可能性があります。従って、それらのいかなる条件においても上記の下限メタン濃度において本バーナーが燃焼することを保証するものではありません。

 

 

 

地球温暖化が深刻さを増している中、再生可能エネルギーの一つとしてバイオガスに対する注目度が以前にも増して高まってきています。バイオガス利用システムの効率を高めるためのツールとして本バーナの活用が期待されています。ご質問等ありましたらこちらまでお気軽にお問い合わせ下さい。

 

 

 

△ページトップへ

 

 


Copyright 2018 TOKYO GAS ENGINEERING SOLUTIONS CORP. all rights reserved.

個人情報のお取り扱いについて