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りん酸形燃料電池:FP-100i

 

 

燃料電池という言葉もあちこちで聞くようになりましたが、同じ燃料電池でも色々なタイプがあるのをご存知ですか。例えば家庭用の燃料電池として注目を集めている製品は固体高分子形と呼ばれるものですね。一方、ここで紹介するりん酸形燃料電池は、比較的古くから開発が進められていたタイプであり、それだけ製品としての完成度が高いとも言えます。日本国内で唯一りん酸形の燃料電池を製造販売している富士電機様を訪問しました。

りん酸形燃料電池開発の経緯

6万時間の耐久性を実現した富士電機の燃料電池

富士電機様がりん酸形燃料電池の開発をスタートされたのは1973年といいますから、もう40年近くもこの技術に取り組んでこられているわけです。1990年代にはガス会社、電力会社と90台強のフィールドテストを行い40000時間(5年)の耐久性を確立しました。

1998年に商品化され、現在販売されているFP-100Fはなんと60000時間(7.5年)の耐久性を実現しています。これによって装置の耐用年数15年の間にオーバーホールは1回だけですむようになったわけです。

 

りん酸形燃料電池の特長

燃料電池についてご存知の方は、「りん酸形燃料電池なんて、時代遅れの技術なんじゃないの?」と思われるかもしれません。でも、りん酸形燃料電池にはいろいろとメリットがあります。実は、これだけ完成度の高い燃料電池は他にはないとも言えるのです。

りん酸形燃料電池のメリット
項 目 内 容
低温度で動作する(200℃程度) 構造部材に特殊な材料を使う必要がない。排熱は温水だけでなく空調にも利用可能。
高い耐久性 電解質の管理が容易。豊富な実機解体調査実績により、セル内のリン酸挙動のシミュレーション技術を確立。
運転の柔軟性が高い 低出力時にも高い効率を維持できる。連系運転のほか、自立運転も可能。

いくら環境にやさしい設備でも安定した運転が出来なければユーザーとしては困ってしまいます。長い経験と実績に裏付けられた高い耐久性は、採用に当たっての極めて重要なポイントといえるでしょう。

 

最新型機:FP-100iの投入

運転中のFP100i。全てのユーテリティ設備がパッケージ化されているのでとてもすっきりとしています。

最新型機の型番FP-100iの”i”というのは、“a”から始まって”i”までバージョンがあるということなのだそうです。その名前一つとっても、長年に渡る開発の重みを感じさせます。さて、この度市場導入されるこの新型機にはこれまでにないいくつかの特長があります。

以前は燃料電池に付随する設備を別途配置しなければなりませんでしたが、FP-100iでは電気盤、水処理、排熱処理設備、窒素ボンベユニットなどを全て筐体の中に納めて施工コストを大幅に削減しています。とてもすっきりとした設備になりました。

凍結の恐れのある水系機器は換気方法を工夫することで寒冷地の−20℃まで運転ができるようになりました。

排熱の利用に関して高温(90℃)と中温(60℃)の二つのパターンを用意し、購入時にユーザーが選択することができます。

 

燃料電池の応用について

燃料電池は、ガスを使って電気と熱を発生するコジェネレーションシステムですので、エネルギーを必要とする様々なニーズに応えることが出来ますが、特に下記のようなニーズに対してメリットが大きいと考えています。

1.バイオガスシステムとのドッキング

最近注目を集めている下水や生ゴミからガスを取り出すバイオマスガスシステムにおいて、そのガスを燃料にした燃料電池システムが各地で運用され始めています。燃料電池から生み出される熱を原料からガスを発酵させる消化槽の保温に使うなど、バイオガスとの相性もぴったりです。

 

2.非常用の電源システムとして

通常は都市ガスによる発電を行い、災害発生時などの非常時に都市ガスが止まった時に燃料電池設備に設置したLPボンベからのガスで発電を継続するというものです。病院の非常用照明などで使うことが検討されています。富士電機様は、2007年に燃料電池として消防法認定第一号を取得しました。

3.水素供給システムとして

燃料電池は水素と酸素を燃料にして電気を起こします。従って、都市ガスやLPガスをそのまま燃料電池に導入することは出来ません。そこで燃料電池システムでは改質器と呼ばれる装置を通して原料ガスを水素に改質しているのです。装置の中で作られるこの水素を燃料電池の燃料以外の用途にも供給することが考えられています。産業用の水素利用や水素自動車への燃料供給などが検討されています。

 

最後に

新しい技術が世に認められるまでには長い時間がかかるものです。りん酸形燃料電池の開発をこれだけの長い期間にわたって開発し続けてきた富士電機様の熱意と忍耐には頭が下がる思いです。聞くところによると、りん酸形の燃料電池を商品化しているメーカーは富士電機様を含めて2社しかないそうです。世界に通用し、環境にやさしい燃料電池技術の市場拡大にTGEも是非ご協力させていただきたいと思います。具体的な導入をお考えのお客様のご連絡をお待ちします。

 

富士電機グループ 燃料電池サイト
http://www.fujielectric.co.jp/about/technology/fuelcell/index.html

 

 

 

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