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フロートガスセンサーの開発

 

 

下水道設備のような厳しい雰囲気中において、長期的に可燃性ガスの流入をモニターするセンサーシステムをご紹介します。

ニーズ

高速道路における事故などでガソリンなどの可燃性の液体が流出した時、その大部分が下水道に流れ込んだ結果、下水処理場に可燃性気体が滞留して爆発などの危険が懸念されています。そのような万一の事態に迅速に対応するための早期警戒センサーシステムを開発することを目的としました。

 

課題

●下水雰囲気におけるセンサーの劣化
下水中には硫化水素など、通常のガスセンサーの性能を劣化させる成分が含まれており、長期間にわたり性能を維持するのが極めて困難です。

●ガスサンプリングの難しさ
ガソリンなどの可燃性ガスは一般に空気より重いため下水の表面近くに滞留します。したがって、迅速に可燃性液体の流入を検知するためには絶えず水面近くでガスをサンプリングしなければなりません。しかし、@下水面の高さが降雨などにより大きく変化し、またA下水中の汚物などによるサンプル管の閉塞など実用上の多くの問題をかかえています。

 

フロートガスセンサーの開発

光学式VOCセンサー(IER法)の採用

(有)オー・エス・ピーの開発した特殊な薄膜と光を使ったVOCセンサー(揮発性有機化合物センサー)を採用し、長期の下水雰囲気でのガス検知に耐えられるような設計になっています。
このセンサーは、高分子の薄膜にガソリンを含む有機化合物に接触することによって膜厚がわずかに変化することを利用しています。その変化を光学的に検知することによってガス濃度を計測しています。なおこれまでに下水雰囲気での長期にわたる耐久性能を確認しています。

 

フロート式ガスサンプリング

常時ガスを下水表面近傍からサンプリングするためにフロートを下水に浮かべます。これを巻き取り式のワイヤーで懸垂することによって、水位の変化によらず懸垂したワイヤーが下水に接触しないようになっています。台風接近時の大量の下水が流入する条件下でも破損することなく動作することを確認しました。

実際の動作の様子

本装置により、下水道施設への可燃性ガスの流入を常時モニターし、万が一の事故に備えることができるようになります。今回開発した装置は可燃性ガスを検知するためのシステムですが、センサー部を交換すれば、下水道におけるその他のさまざまなガスを監視するシステムに展開が可能です。

 

 

 

 

下水道というのはエンジニアリングの対象としてはとても難しい相手と言えます。都市のあらゆるものを飲み込んで最後にたどり着くのが下水処理場ですから、普通ではちょっと考えられないようなものまで流れてきます。そこに設置されるシステムはそうしたきわめて特殊なものが流れてきても壊れることがあってはならないわけで、大変高い信頼性が要求されます。一方で、フィルターのような装置によって不純物を取り除こうとしても、大量の不純物によってすぐに目詰まりを起こしてしまい役に立ちません。そんな禅問答のような状況の中で生まれてきたのが、このフロート式ガスセンサーシステムです。コンセプトは柳に風。ちょっと頼りない感じもしますが、それでいて結構すごい下水の濁流の中でもしっかり働いてくれています。今後下水道設備を守る頼もしい助っ人になると期待されています。

 

本システムは東京都下水道局、東京都下水道サービス(株)(有)オー・エス・ピー、東京ガス・エンジニアリング(株)で共同研究したものです。

 

 

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