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測れるのはメタンガスだけ?

約20年にわたる開発を経てレーザーメタンは商品化されました。でも、それは始まりの一歩に過ぎないと私たちは考えています。都市ガス会社にとってはメタンガスの検知は最も高いニーズですが、世の中には他にもいろんな種類のガスがあります。そして、それらのガスを遠隔で検知したいというニーズもたくさんあるのではないでしょうか。

 

◆ レーザーガス検知技術のトップランナー

東京ガス、東京ガス・エンジニアリング、そして電子機器のトップメーカー・アンリツとのコラボレーションによってレーザーメタンは開発されました。東京ガスグループのユーザーとしての着想と基礎研究、そしてアンリツの高度な光学技術を背景にした長年に及ぶ製品開発の積み重ねは、レーザーガス検知と呼ばれる技術分野の世界最先端と言って差し支えないでしょう。

 

 

◆ 他の追随を許さない技術水準

検知したいガスに吸収される波長を持つ特殊なレーザーの開発や、セルと呼ばれるガラス製の容器に計測したいガスを封入して吸収スペクトルを観測する実験装置、地面からの反射信号を処理するための光学系、さらには検知した信号の電気的な処理に至るまで、レーザーメタンには幅広い技術領域に及ぶノウハウが埋め込まれています。それらを一から作り上げるのは並大抵のことではありません。

 

◆ でも一番大切なのは人

技術の蓄積はもちろん大切ですが、もっと大切なのは技術に魂を埋め込む人の存在です。レーザーガス検知技術を熟知したアンリツの技術者は、私達と共に様々なニーズに対して果敢にチャレンジし、今も新しい市場の開拓をしています。

 

 

 

◆ 新たなニーズの開拓

私達の確立したレーザーガス検知技術を広く社会に役立てることこそが、今私達に課せられた使命だと考えています。この技術を使ってどんなガスを検知したいと思いますか?

残念ながらレーザーを当てれば、どんなガスでも検知できる訳ではありません。共存する他のガスと吸収波長が重なっていないか、あるいはその波長のレーザーが作れるか、さらにはその吸収強度があるかなどいくつかの条件がそろわないとレーザーガス検知を実現することはできないのです。

もう少し詳しく条件を列挙すると

1. 半導体レーザーを使う
大前提として半導体レーザーで作れる波長域(1.2〜2.0ミクロン)に強い吸収のあるガス分子でなければ検知することはできません。

2. 強い光吸収を持つこと
そもそも分子の振動による光吸収は波長3〜10ミクロンに基本バンドがあり、1.2〜2.0ミクロンはその2倍周波、3倍周波、あるいはその組み合わせになります。したがって、吸収係数も基本波に比べればかなり小さくなってしまいます。例えばメタンの基本波長3.3ミクロンに対し、1.65ミクロン(レーザーメタンの検知波長)では100分の1です。波長変調法という方式を採用することによって、小さい吸収率の波長での検知を可能にしていますが、いずれにしても、できるだけ強い光吸収をレーザーで発振できる波長域に持っていることがとても重要なのです。

3. スペクトルが比較的きれいなもの
上述のようにレーザーメタンでは波長変調法という手法によって高感度化をしているので、スペクトルが「きれい」であるというのは大きな条件になります。分子数が小さく比較的単純な分子構造のガスの方が一般的に言ってスペクトルはきれいな状態で観測されるので、波長変調法での検出が行いやすくなります。「きれい」なスペクトルというのは、ちょっと抽象的な表現ですが、要するにたくさんの吸収波長が狭い波長領域にごちゃごちゃと混在しないことと考えていただければ結構です。また、これらの吸収波長が、例えば水のような計測雰囲気に多量に混在する分子と一致しないことも、実用上は大きな問題です。

これまでに検出に成功した具体的な分子として、

CH4、H2O、NH3、C2H2、CO2、C13H4、C13O2、CO、NO、NO2、H2S

などがあります。その他ではHClとか、O2、O3とかの検知が報告されているようです。

いずれにしても検知すべきガス濃度や使用環境などのユーザー側の多様なニーズを、謙虚に分析して、この技術が使えるかどうかの判断をする必要があります。まずは、お客さまのニーズをお知らせください。そこから全てはスタートするのです。

お問い合わせはこちらまでお願いします。

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