最近結果オーライについて議論している。もともとのロードマップになかった結果に注目し、積極的にそれを拾い上げる作戦だ。世界的な研究成果の殆どが、そうしたまぐれ当たりを拾い上げた科学者によってなされていることから多分大きな成果を上げるための必勝作戦なのだと思うに至った。
そんなことを考えるようになってから日ごろの仕事でも、想定外の結果に今まで以上に目を向けるようにするようにしている。今のところ、だからといってすごい研究成果がどんどん上がっているという訳ではない。それは無線のアンテナの実験だったり、ガス漏洩の実験だったりするんだけど、予想外の結果というのは思ったよりもちょこちょこ起こる。むしろ予想外の結果の方がよく起こると言った方がいいかもしれない。
ではそういう予想外の結果がたくさん得られた時にどうすればいいのか。それは「結果オーライ」ということだから、文字通り「オーライ」の結果を拾い上げるということなんだと思うのだ。すべての想定外の結果を拾っていては、多分ハードディスクはすぐに一杯になってしまう。輝きを隠した原石もあるかもしれないけど、ほとんどすべてはゴミなのだから当然だろう。そこで、完全に答えがあるという保証はないにしても、うまくいった結果(つまりオーライの結果)を採用するのである。たとえそれが当初のシナリオに従っていなくても構わない。うまくいったらそれを拾う。それが神の声なのだから。
その結果何が起こるかというと、まず話が先に進む。原因はともかく、うまくいった結果なのでプロジェクトは進展するのは当然だ。でも、その話を他と共有しようとすると、大体反対にあうことになる。何分その結果はロジカルでないのである、ただ偶然うまくいっただけのことなのである。頭のいい人は、そういう論理的でない答えを拒絶するものだ。今までに何度もそういう状況に遭遇した。うまくいくんだからいいじゃないかと思うのだが、なかなか人生は思ったようにいかないものである。
もう一点、結果オーライに突っ走るとどうなるかというと、研究が散らかってしまうのである。PCの中にある研究の成果はちゃんとフォルダに入って階層的に整理されているのに、その結果はどのフォルダに入れればよいのか見当がつかない。仕方がないのでデスクトップにその実験結果は置かれることになる。そんな結果が二つも三つも得られると、もう机の上はぐちゃぐちゃになるに違いない。
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