2022年3月14日、その日レーザー式のガス検知器が、都市ガスの法定ガス検査において使用可能な機器として公式に認められた。まあウクライナの戦争やコロナなどのニュースに比べれば取るに足らない事だったかもしれないが、その実現のために努力を重ねてきた者にとっては、何よりも価値のあるニュースだった。
実は自分が入社した時の最初の仕事がレーザーガス検知器の開発の仕事だった。途中、その仕事からはずっと離れていたが、研究所から販売をしているエンジニアリング会社に出向した時から、技術開発と営業の両面でこの製品にまたかかわることになった。20年近く前のことである。そして今、研究開発が始まってから約40年が経とうとしている。実はこの製品、90%が海外での販売であり、国内の販売は全体の1割に過ぎない。国内の販売が振るわない理由の一つが、法定検査に使えないということだったのだ。その壁がついに取り払われることになった訳で、国内でのレーザーメタンの販売がどうなっていくのか、大いに期待しているところではある。
さて、今回はこの製品の法定検知機器化ということの意味を考えてみたいと思う。もちろん、今回の決定の背景には政府が提唱するスマート保安の推進などの外部要因がプラスに働いたことは否めない。また、指導してくださった素晴らしい上司、一緒に仕事を推進した同僚や関係の方々、一度は断念しかけたこの製品の製造を引き継いでやって下さるメーカーの皆さん、たくさんの製品を国内外で販売してくれた営業関係の方々など、本当に多くの人たちの協力によって今回の決定はもたらされた。奇跡といってもいいぐらいの幸運がたくさん重なったとしか言いようがないだろう。
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