脳内物質とコロナの関係

 
  Vol.243
2020年12月28日
 
     
     

頭の中では恐怖や喜びなどの様々な感情に関係した脳内物質が分泌されることが知られている。アドレナリンとかエンドルフィンぐらいは聞いたことがあるが、それ以外にも様々な物質があるらしい。例えばアドレナリンというのは、敵に遭遇したりした時に副腎皮質から分泌されて体を緊張状態にするという。詳しいことはわからないが、一般的には体の外で起こったことが引き金となって、これらの脳内物質は分泌されるとされている。

しかし、そうじゃないんじゃないか思えることがあることに気が付いた。つまり、脳内物質が先に分泌されて、その結果それに伴う活動や感情が誘発されているケースが結構あるのではないかと思うのだ。そんな順番が逆のようなことがあるわけがないと思うかもしれないが、例えば体調が今一つすぐれず、いらいらした気分の時には、ちょっとしたことにも腹が立って怒ってしまうことを経験したことは誰でもあるのではないだろうか。もし純粋に体の外からの刺激によって脳内物質が分泌され、その結果生理的な反応が起きているのであれば、体の調子に関係なくそうした反応は起こるはずである。しかし、実際には周囲の状況だけでなく、体の具合が大きく反応に影響することは間違いない。つまり周囲の状況は単なる引き金に過ぎず、その前から体の中では怒りを誘発する脳内物質が出ていたとは言えないだろうか。まあ、この議論は鶏が先か卵が先かの議論のようなもので、どちらが100%正しくて、どちらかが100%間違っているという話ではないのだろうが、単なる刺激に対する体の反応という単純なプロセスではないことは言えるような気がするのだ。

もし、上記のようなことが実際に起きているとすると、個人個人の目の前で起きている事柄は、客観的に起きている事実というよりも、その人の頭の中で起きている化学反応とつじつまが合うように作り出されたフィクションとも言えるような気がする。つまり、怒りの脳内物質がドバドバ出ている人の周りは、トラブルや喧嘩だらけになるに違いない。トラブルや喧嘩が起こったから怒りの脳内物質が分泌されたのではなく、そうした脳内物質がトラブルを引き寄せたのである。逆に喜びの脳内物質が出ている人の周りは、喜びに満ち溢れているということにもなる。

人は普通は成功したいし、楽しく愉快に過ごしたいと思っている。しかし、現実はなかなかそうはいかないことが多いのは周知の事実である。次に何が起こるかは神様しか知らないことになっているのだから。でも、ここで議論したことを逆手に取れば、自分の周りで起こることを好きなようにコントロールすることはそれほど難しくないのかもしれない気がしてきた。要するに頭の中で怒りの化学物質が出ないようにして、喜びや幸せの脳内物質が分泌するようにすればいいのである。どうやってエンドルフィンを分泌しやすくするかということは残念ながらよくわからないが、少なくとも今怒りの脳内物質がでているなあと意識することはできる。すごく腹が立つことがあった時、相手が悪いと思うのではなく、自分の脳内の化学反応のせいでこういうことになっていると思うのである。すると、今までカーっとなっていた気持ちがすっと軽くなることが自分でもわかるのだ。

今年はコロナ騒ぎによって大きく生活が制限され、多くの人が経済的に窮地に立たされることになった。もちろん、それはどこかで発生したウイルスが蔓延して起きているんだろうけど、ここで議論したように個人個人の脳の中における化学反応が、そういう鬱屈した気分を作り出しているとも言えるのだろう。来年をどういう年にするかは、私たちの頭の中の化学反応にかかっている。とりあえず幸せをもたらす化学物質がたくさん出るように精進したいと思う。皆がそんな気分になればきっとコロナは退散するに違いないから。皆さん良いお年を。





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