夢とやっつけ仕事の関係

 
  Vol.242
2020年11月25日
 
     
     

サラリーマンをしているといわゆる「やっつけ仕事」というのにいつも追いまくられている。本当は自分のしたい仕事、あるいはすべき仕事があるにもかかわらず、会社はそのことを理解せず、くだらない仕事を自分にさせていると思う人も少なくないかもしれない。ほとんど時間の無駄みたいな仕事にもかかわらず上司はそれを部下に要求する。まあ、こんな日々を送っている人も少なくないだろう。そんな仕事は本当に無駄なのだろうかというのが今回の話題である。
もちろん、会社にとって必要だからこそ上司はその仕事をするよう指示したのだから、その意味においてはその仕事は決して無駄ではない。(まあ、そうでもない仕事もあるかもしれないけれど、ここでは踏み込まない。)とは言っても、

「そんな仕事を俺に振らなくてもいいじゃないか!」

と陰口を叩きながら残業をすることも少なくないだろう。
ここで夢についてちょっと考えてみよう。人に明言している夢もあるかもしれないし、心に秘めた夢もあるかもしれない。若いころには夢があったけど、歳をとったらもう夢なんかなくなったという人もいるだろう。大きな夢もあればささやかな夢もあるに違いない。そんな夢を持っている人は、多かれ少なかれその夢の実現に向かって努力をするだろう。努力しなければ、その夢は実現しない。努力しても実現しないかもしれないが、少なくとも努力しなければ何も起こらないのだから。夢の実現に向けて努力をするからこそ夢は夢となる。努力しない夢はただの憧れに過ぎない。
夢の実現に向けて努力をしている人にとって、「やっつけ仕事」は全くもって時間の無駄である。そんなくだらないことをやる時間があったら、少しでも自分のやるべきことにもっと時間を割くべきだと思うだろう。ごもっともである。私も若いころは、自分のやりたいこと以外の仕事なんて全然まじめにやらなかった。

「くだらない!」

でもねえ、歳をとるにつれてその思いがだんだん変わってきた。やりたいこと以外の仕事なんて全然まじめにやらない自分を、周囲がどう思うかという点において、その行動は夢の実現に向けて大きなマイナスの力として働くようになるということがわかってきたのだ。

「ふん、あいつは自分勝手なことばかりしている。」

そんな風に上司や周りの人に思われるようになっては、結局自分の思っているようなことは何もできなくなる。そんな態度を続けていると、いよいよ上司は自分のやりたくない仕事を押し付けてくるかもしれない。こうなってはどうにもならない。ここまで考えてハタと気がついた。つまり、やっつけ仕事をしっかりやることは夢の実現に向けてとても大切なことになるのではないかと。もっと踏み込むと、目の前にあるどんな仕事も、その夢の実現のための大切なプロセスであると考えることができると思えるようになった。これは結構すごいことなのではないかと思っている。普通は、夢の実現につながる行動はプラスに働くけど、そうでない行動は時間の浪費という意味ではマイナスに働くと考える。でも、ここで議論した立場に立てば、目の前の起こるすべての事柄は自らの夢の実現に資するアクションになりうるのだ。すべてがプラスになるのだから、その効率はすさまじいはずである。夢の実現に向かってガンガン進めてしまうのだ。

ポイントはまず夢を持つことだ。もし夢がないと目の前に起こることは楽しいことと辛いことの二つしかない。辛い仕事は、夢の実現に向けて変換されて価値を生むことはない。やっつけ仕事はどこまで行ってもやっつけ仕事でしかない。これはつらい。最近の若い世代は、夢を持たず目の前の楽しみを求める傾向が強いという。若い世代だけではないかもしれない。夢を持たない人生というのはきつい。どんなに歳をとっても夢を持つことは、思っている以上に大切なことなのではないか。それは個人の問題というよりも、社会の中における自分の存在という意味合いの中で考えなければいけない課題なのだと思う。





© 2005 TOKYO GAS ENGINEERING SOLUTIONS CORP. all rights reserved.

個人情報のお取り扱いについて   サイトのご利用について