展示会の意味

 
  Vol.217
2019年2月15日
 
     
     

最近展示会のお手伝いをする機会が多い。東京ガス殿と共催のこともあれば当社が単独で出展することもある。我々は結構特殊な技術を展示していることもあり、なかなか説明を他の方にお願いするわけにもいかず、関係者で顧客説明を分担してやっている。展示会はやってみるとわかるのだが、結構な重労働である。日頃、椅子に座ってパソコンをいじっている身には、一日に何時間も立ったままでの説明はきつい。皆、夕方には足がパンパンに張ってくる。先週開催された展示会では、近くのブースでマッサージ器を展示していたので、すいぶんそこのデモ機のお世話になった。歳をとってくると、一日ではダメージから復活できないので、2日3日とやっているとさらに疲れが蓄積されていく。

おいでになるお客様ももちろん様々である。ピンポイントで展示している製品の内容に鋭い質問をする方もいれば、「ふーん」とわかったようなように頷いてカタログだけもらって立ち去る人もいる。お客様というより自社のサービスや製品の売り込みも結構多い。タイミングによっては、殆どお客様がブースから離れてしまい、暇になることもある。暇というのも結構つらい(なかなか時間がたたない)。こう考えると、多くの展示の担当者にとって、展示会はちょっと面倒くさい仕事かもしれない。ずっと立ちっぱなしであることはもちろん、よくわからないお客様にニコニコして対応するのもストレスな人にはストレスだろう。展示会であったお客様がすぐに製品を買ってくれるわけでもないので、なんとなく仕事にも気合が入らないかもしれない。展示会など無駄だという人もいないでもない。

もちろん小さなベンチャー企業さんにとっては、展示会は顧客をつかむ貴重な機会かもしれないし、大体代わりの人がいないので、結局同じ人がずっと展示説明をすることになることも多い。それに対して大企業は、多くの人が分担して説明を受け持つ。一人半日自分の担当時間のあいだ説明をして次の人と交代する。このくらいならそれほど体もきつくない。スマートな仕事の仕方と言えるかもしれない。でも我々は社内ベンチャーみたいなものなので、なかなか交代してもらえるような要員がいない。仕方なく展示会の会期中ずっと説明をする羽目になることも多い。終日説明をしているとお昼のお弁当がもらえたのは役得だったが、昼前にはすっかり足が痛くなって足を摩りながら崎陽軒の焼売弁当を食べた。

足を摩りながらの展示会だったのだが、悪いことばかりかというとそうでもない。ずっと説明員をしているとだんだん見えてくるものがあることに気が付いたのだ。展示している製品のお客様の食いつきの違いだったり、大体同じような質問を皆がしてくることだったり、お客様に受ける説明の仕方と受けない説明の仕方もあることに気付く。そのうちに、説明の仕方をお客さんごとに変えてみて、反応がどのように変わるかをみるという「実験」もできるようになってくる。こういうことに気が付いてしまうと展示会はなかなか楽しいイベントになってくる。お客様相手の実験室と言ってもいいかもしれない。

考えてみれば展示会は市場の箱庭のようなものである。展示会でうまく説明できない製品や、いくら説明しても誰も興味を示さない製品は、どこかに問題があるはずだ。そういう貴重な市場のフィードバックを得られるのが展示会なのである。そしてそうした市場の声を聞くためには、半日の立ちんぼでは多分ダメだと思う。足が痛くなっても、期間中ずっとお客様の声に耳を傾けることが必要な気がする。当たり前と言えば当たり前の結論だけど、案外みんな分かってないじゃないかな。

 

 






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