足が痛い

 
  Vol.212
2018年10月26日
 
     
     

何ともさえないタイトルである。趣味でやっている登山で左膝を痛めてしまった。整形外科に行ったら、変形性膝関節症との診断で、要するに年を取って膝の関節が少し変形したとのこと。あまり積極的な治療法はないらしく、医師からはストレッチと筋トレをやるように言われた。足が痛いというのは何とも不自由なもので、駅の階段を上るのさえ億劫になる。だんだん老人に近づいてきたかと思うと楽しい気はしない。

そんな持病を抱えながら近所の商店街を歩いていたら、ちょっと面白いことが起こった。といってもたいしたことではないのだが、今まで全く気が付かなかった接骨院やマッサージの店があちらこちらにあるのに気が付いたのだ。「こんなにあったんだっけ」と思うほどあそこにもそこにも発見した。それはもちろん、私自身の興味の方向が変わったからに違いないのだが、それにしてもなぜ今まで全然気づかなかったのだろう。殆ど毎週のようにその商店街を通っている。その時に目を閉じていたわけでもない。きょろきょろしながら歩いていたはずだ。でも、その接骨院の存在に全く気が付かなかったのだ。

仕事で新しいビジネスを考える。市場の声に耳を傾けて適切に対応することが大切とよく言われる。至極もっともなことだと思う。でも、足が痛くなかったときには、商店街の中の接骨院の存在に全く気が付かなかったように、新たな市場は、そう簡単には見えてこないに違いない。毎日歩く商店街には、接骨院なんかどこにもなかった。同じように漫然と「市場」を眺めていても、そこには何も見えない。あるいは、自分たちが思っている「市場」だけが見えているだけだ。残念ながら、そこに答えはないのだろう。

ではステレオタイプ化した見方をどうやれば打ち破れるのだろうか。私の場合は足が痛くなった瞬間に違う世界が見えてきた。痛くない足が痛くなったという変化が、私に新たな眺め(たくさんの接骨院があるという認識)を提供してくれたと考えてみたい。多分その変化は、ポジティブであってもネガティブであっても構わない。とにかく、現状に変化を作ることが大事なのだ。足の痛みが今後も長く続いて、どこに行っても治らないということになると、私の視界から接骨院はまた消えてしまうのだろう。

整形外科のリハビリで、いろんなストレッチを教わった。風呂から上がった時にそのストレッチをやってみると、自分の体がいかに左右アンバランスであるかが分かった。片方の足首はボキボキ音がするのに反対は全くならないし、アキレス腱の固さも左右で相当違う。だからどうしたということはないのだが、とにかく膝が痛くなるという変化は、私の中にいろんな気づきをもたらしてくれている。それはそれで面白い。

 






Copyright 2018 TOKYO GAS ENGINEERING SOLUTIONS CORP. all rights reserved.

個人情報のお取り扱いについて