2012年2月3日
Vol.133
 
     
コンプレックスについて

今朝テレビを見ていたら、著名なバレーダンサーのインタビューをやっていた。海外の有名なチームで活躍するその人は(すいません、名前を失念しました。)、身長が170cmに届かない小柄な男性なのだが、ダイナミックなダンスが始まると体の大きさが何倍にもなったように見えるという。実に伸びやかに手や足を伸ばして躍動する彼の踊りは、素人の私が見てもすごいなあと思った。インタビューの中で、ダンサー曰く「自分は体が小さいことがずっとコンプレックス(劣等感)だった」のだという。だから「そのコンプレックスを乗り越えるために、絶えず体を鍛えてダイナミックな動きを作ろうとしていた」のだという。さらに、「コンプレックスを持つことが、自分の成功の要因になっている」というような趣旨のことも言っていた。

多分世の中にいる人の殆どがコンプレックスの一つや二つ(たぶんもっと)を持っているんだと思う。少なくとも私はたくさんある。そして、そういうコンプレックスというのは、基本的にあんまり考えたくないことだから、心の深いところにぎゅっと押し込んで日ごろは思い出さないようにしている。だから長年しまっておいたコンプレックスはガチガチに固まって、ちょっとやそっとでは溶けてくれそうにもない。でも、もし、成功の鍵がコンプレックスだと飲み込めればお話は断然変わってくる。コンプレックスを持ち、それに立ち向かうことが成功への道筋なら、コンプレックスを持つことは、実は強みと言えるのかもしれないのだ。

私たちは、もっとコンプレックスを大事にすべきなのかもしれない。テレビをみてコーヒーを飲みながら、ふとそんなことを思った。ただ、コンプレックスを持ってぐずぐずしているだけなく、その弱みをしっかり見つめることが大切なことは言うまでもない。楽なプロセスではないことは間違いないだろう。小さい体で大きなダンスを表現しようとするのと同じことである。体が大きいほうが大きいダンスをしやすいのは自明なのだ。

今までは個人のコンプレックスについて議論してきたが、もしかするとこれって企業にも言えることなのかも知れない。普通は企業の強みをさらに強め、選択と集中でデファクトスタンダードを目指すというのが、正しい企業の運営だと言われている。でも、どんな企業も最初から強いビジネスポジションを取れていたわけではなく、最初は金も資源もブランドもないところから、そうした自分たちの弱みを何とか克服してがんばった結果成功がもたらされたのだ。成功はコンプレックスから生まれたとも言えるのではないだろうか。とすると、企業が自らの強みを生かした戦略をとり始めたその瞬間から、もしかすると企業の衰退は始まっているのではないかとさえて思えてきた。どう思いますか?

 

 

 


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