2011年12月19日
Vol.130
 
     
再生可能エネルギーについて

今回は、最近話題の再生可能エネルギーの未来について考えてみようと思う。地球温暖化が叫ばれて久しい中、いわゆる再生可能エネルギーをもっと使うべきと言う声をよく聞くが、実際にはなかなかコストが合わなかったり、作られる電気が不安定だったりして広く世の中に広がっているとは言いにくいのが現状だろう。どうすれば、これら新エネルギーが広く世の中で使われるようになるのだろう。その答えを考える前に、世の中で広く受け入れられる製品とはどういうものかをちょっと考えてみたい。例えば、自動車のような製品を考えてみれば分かりやすいだろう。今まで30分かけて買い物に言っていた人が、車を買うことによって5分でスーパーに行けるようになったとしよう。25分の時間短縮という価値は、実際に消費者が感じることのできるものであるから、それを見たご近所の人だって同じ車を欲しいと思うだろう。そうしたプロセスを経て市場が拡大し、さらに製品の価格が大量生産によって下がることによって好循環が生まれる。単純化はしてあるものの、製品が世の中に浸透してくプロセスというのはそういうものだろう。

一方、再生可能エネルギーはどうだろうか。風力を使おうが、太陽電池だろうが、バイオガスだろうが、最終的に得られるエネルギーは電気である。残念ながらユーザーにとってはどの方式によって作られた電気かどうかは関係がない。同じ1KWhは1KWhにしか過ぎない。すると前述の車のような市場拡大の好循環が生まれる余地はない。結局、補助金や税制などによって下支えをするしか、こうしたエネルギー源を維持する道はないのではないだろうか。

こういうことを言うと必ず次のような反論を受ける。

「そんな問題は簡単に解決できる。炭素税を導入すればいい。」

確かに炭素を含むエネルギー源に多くの税を課すことによって、それらの消費を抑え、逆に炭素を出さないエネルギーを優遇すれば問題は解決できるようにも思える。しかし、なぜそういう議論が実際の政策になっていかないかと言えば、本当に炭素の放出を抑えることが地球温暖化を防止できると証明することができないことにあるからではないかと思う。例え、それが本当だとしてもその効果が現れるのは10年先かもしれないし50年先かもしれない。おまけに地球の気候に影響を与えるプロセスは極めて複雑であるため、炭素税の効果を正確に評価することはものすごく難しい。ちょっと難しい制御技術用語でこのプロセスを表現すれば、非常に時定数が長くて信号対雑音比が低いシステムと言うことになる。こういうプロセスの制御というのは、実際ものすごく難しいのである。何が言いたいかといえば、いかにもっともらしい政策であっても、それが確実に正しいと言うことを証明するすべがないということが、この問題を猛烈に難しくしているのである。

無論、これは炭素税に関する議論だけに言えることではない。大体、簡単に答えが出るような問題というのは、大方解決されてしまったのが現在なのである。残った問題というのは、効果が現れにくく原因がいくつも考えられるような、やっかいな問題ばかりなのである。そういう問題においては、こうすればいいという“ちゃんとした方針”を出すことは原理的に極めて困難なのである。もちろん、この手の問題に関する対応策を考えることが、非常に難しいと言うだけでは、あまり実のある議論とはいえない。それではどうすればいいだろう。ちょっとセンチメンタルな言い方になるが、いかに問題に取り組んでいるかという「姿勢」が一番重要なのではないかと思うのだ。テーマそのものが正しいかどうかは、どうやったって良くわからないとすれば、自分の信念に向かって真摯に仕事に取り組む姿勢を評価すべきではないかと思うのだ。移ろいやすい今という時代の中で強い信念だけが、長い時間を越えて結果に影響を及ぼすことができるのだと思う。もし、自分があるプロジェクトに取り組んでいる時、その成功に疑念がわいてきたら、その疑念を打ち消すように修正をすればいいのだ。そうすれば、またプロジェクトの成功を思い続けられる。はたまた、仕事に関係ないところでも脇を締めて、人から後ろ指刺されないように行動を律することも大切だろう。一年を締めくくるに当たって、自分の仕事をいかに真剣に取り組むか。そういう視点で一度考えてみてはどうだろう。


 

 

 


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