2011年8月2日
Vol.124
 
     
スペースシャトル計画の意味

約30年続いたスペースシャトル計画が終わった。もともとは何度も繰り返して使える宇宙船の導入によって、打ち上げコストを抑え様々な宇宙開発を安価に推進するはずだったが、実際には2度にわたる空中爆発によって、安全性を確保するためのコストがかさみ、最終的には一回の打ち上げに800億円もかかってしまうことになったのだと言う。宇宙開発のコストダウンを計るという意味においては残念ながら成功とはいえないプロジェクトだったらしい。

最初の打ち上げは1981年のことだった。私はまだ学生だったが、その時のことはとても良く覚えている。今までのロケットと異なり、翼がついていて自ら滑空して帰還するコロンビア号を見て感動したものだ。そのコロンビア号も、今はもう存在しない。

大体何のためにスペースシャトルは作られたのだろう?30年間のプロジェクトの中で、国際宇宙ステーションを作ったり、ハッブル宇宙望遠鏡を打ち上げたり、確かにいろんな成果を残した。日本人の宇宙飛行士も何人も生まれた。でもそうしたことがこの計画の本当の目的だったのだろうか?

そんなことを思いつつシャトルの宇宙飛行士たちのインタビュー番組をみた。その中で多くの宇宙飛行士たちが、宇宙から地球を見ることによって地球には国境など存在しないことを改めて考えたり、美しい地球の姿に感動をしたりしたことなどを述べていた。朝起きるときにかかる音楽でジョン・レノンのイマジンのリクエストが多かったことも偶然ではあるまい。

話は変わるが、完成間近の東京スカイツリーを見学する機会があった。日本の伝統的な美しさを持ちつつハイテクを駆使した世界一の高さの電波塔である。電車の中から遠巻きに見たことはあったが、真下に立って見上げた時のその大きさに圧倒されてしまった。このスカイツリーの意味は何かと問えば、一義的にはデジタルテレビ放送のための電波塔である。でも、多分それだけではあるまい。未曾有の大地震のさなかに建設され、その地震にも倒れることなく間もなく無事に完成にこぎつけようとしている、その巨大な塔にはもっと深い意味がありそうな気がするのだが、残念ながら私にはまだその答えはわからない。

他方、遅々として進まない災害復旧、先が見えない福島原発の処理、混迷する政治等など、文句を言いたくなるようなことだらけの日本だけど、やり方がまずいとか人を変えれば良いとかそういうことではないような気がしてならない。そういう事柄の意味について、ここは一つイマジンでも聞きながらその意味を考えてみたいと思うのだか。果たして見えるかどうか。

 

 


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