2010年11月4日
Vol.114
 
     
因果の矢

世の中は地球温暖化をどう食い止めるかに皆知恵を絞っている。二酸化炭素の放出を減らすために化石燃料の使用を減らしたり、生活の中での省エネ・省資源などにも皆必死になって取り組んでいる。どれだけの効果が上がるか、にわかにはわからないが、限りある資源を大切に使うことは悪いことではない。お互い我慢できることは我慢して地球温暖化を食い止めたいものである。

ところで今回のコラムの妙なタイトルと地球温暖化がどう関係するのだろうと思う方もおられることだろう。まず因果の矢とは一体何だろうか。簡単に言えば物事には原因と結果があるという話に過ぎない。当たり前の話である。

「ご飯を食べ過ぎれば太ってしまう。」

良い例かどうかはともかくとしてこれも因果関係の一例だろう。この例の場合は、ご飯を食べ過ぎるということが原因であり、太ってしまうことがその結果である。わかりやすい。

これを地球温暖化現象に当てはめてみると二酸化炭素の濃度が高くなることが原因で、その結果地球の温度が高くなるということである。これもわかりやすい話だろう。そして世界中の科学者は、二酸化炭素の濃度のトレンドのグラフと地球の気温のグラフを並べて、確かにそこには相関があると力説する。因果の矢は二酸化炭素の濃度の上昇から地球温暖化に向かっているように見える。

しかし、ここでこの矢の方向を反対にしたらどうだろうか。つまり因果関係をひっくり返すのである。

「地球の温暖化が進むから二酸化炭素の濃度が高くなってきた。」

と考えてはどうだろうか。そんな馬鹿な話があるものかといわれるかもしれない。(本当にそうかどうか私は全くわからない。念のため)でも、科学者が学会論文に掲載しているデータには、二酸化炭素の濃度が上がっていることと、地球温暖化が進行しているデータが確かにあるのだから、そのデータはとりもなおさず地球温暖化が二酸化炭素の増加をもたらしているということの証明にもなるはずである。

データというのはただのデータであって、それ自身が何かの理論の一部というわけではないことに注意をしよう。我々は、自分の構築したい理論を正当化するためにそのデータを使うに過ぎないのである。因果の矢はあっちを向いているときもあればこっちを向いているときもある、それが世の中で起こっていることの実相のような気がしてならない。片方の向きの矢は、その中の一つの側面にすぎないのではないだろうか。

「太ってしまうと食べ過ぎる。」

これは、さっきの例の因果の矢をさかさまにした主張だ。この主張もそんなにおかしくはない気がする、でしょう。今考えていることを一方的な直線の上で議論するのではなく、反対の流れを意識的に作ってみると、その問題の本質が見えてくるような気がする。例えば、さっきの例では太ることの原因は単に食べ物を減らすだけではなくもっと総合的な生活習慣を改善することが重要なのだという本質(?)が、矢印の向きをかえることで浮かび上がって来た様に。

あなたの取り組んでいるテーマも是非、矢印をさかさまにしてみてください。何かが見えてくるかも知れません。

 

 

 


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