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2006年5月30日

Vol.049

     
省エネルギーについて
 
       
 

先週、都市ガスシンポジウムという集まりに参加してきた。都市ガス関係の企業が集まって技術的な発表をするコンファレンスである。日本中から都市ガスに関する様々な人が集まって情報交換をする。こういう会議に参加すると、直接的にビジネスに役立つ情報ももちろん大切なのだが、なんとなく業界を取り巻く雰囲気のようなモノがわかることのほうがもっと重要な気がする。

さて、その会議の冒頭で基調講演があった。住環境計画研究所の 中上英俊氏という方がお話をされた。私は、不勉強で中上先生のことを良く知らなかったが、どうもこの業界では結構名前の知れている方らしい。

その講演の中で、中上先生はいろんなことをお話された。京都議定書で世界に約束した日本の二酸化炭素削減目標は、どうがんばっても達成できそうもないことや、エネルギー市場が指定席(独占)から自由席(競争)に変化しつつあることなど、いろんな例を挙げながらわかり易く解説されていた。

先生のお話の中で最も記憶に残ったのは、「時間」についてのお話だった。中上先生は、繰り返し「時間」のファクターが大事であるといわれていた。時間と言われても何のことか今ひとつピンとこないかもしれない。つまり、京都議定書の達成期限までには目標は達成できないかもしれないが、例えば50年という長い時間をかけて努力していけば必ず成果を上げる事が出来るということである。なんだか当たり前と思われるかもしれないが、お話のエッセンスはそういうことだったと思う。

時間のファクター、これをもっとわかり易く言えば「ガス業界がんばれよ!」というエールだったと思う。近い将来、電力との競合にさらされてガス業界には厳しい時代が続く。いくら都市ガスの優位性をPRしても京都議定書の目標を達成することはできそうもない。でも、中上先生は力説する、「だからといってあきらめちゃだめだよ」と。継続は力である。いつか思いは具体化される、時間というファクターを味方にすることができれば。

お客様の視点に立ち、グラーバルなスケールでの世論に貢献していく事が出来れば、都市ガスは次の世代においても支持を受け続けることができる。そして、その思いを業界の皆が継続的に共有できれば。たぶん、ここが一番難しいところなのかもしれないが。

 

 

 
       
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