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2005年9月28日

Vol.024

     
クオンタム・リープ
 
       
 

表題だけ読んで何のことかわかった方はほとんどいないかもしれない。クオンタム・リープというのは物理の世界の言葉で、日本語にすると「量子的跳躍」とでも訳されるのだと思う。まあ、こんな言葉は日本語にしたところで一向にわかった気にはならないのだが。

クオンタム・リープというのは、原子や電子といった粒子がもつエネルギーが連続的な値を持たず飛び飛びの値だけ持つという不思議な現象をさす。これは、例えば車の運転をしているとき30キロで運転してさらにアクセルを踏み込んでも一向にスピードが上がらず、突然40キロにジャンプするようなものだ。ちょっと納得いかないお話であるが、そんな変な事がミクロの世界では当たり前のように起こるのである。

最初に習ったときは変な話だなあと思っても、2回目からは「もう習ったこと」ということで当たり前のこととして認識されてしまう。ノーベル賞をもらった人が考えた理論なんだからあっているに違いないということである。しかし、今まで私はどうもそれって納得がいかなかった。車のスピードが30キロと40キロと50キロしかないなんて絶対におかしいではないか。

ところが、最近、確かに身の回りにもクオンタム・リープが存在することに気がついた。それは子供の学習や会社の発展やそういうところでお目にかかることである。子供というのは毎日学校へ行って勉強をする。毎日、毎日漢字を何個か覚えたり、算数の九九を覚えたり、チョッとづつアナログ的に知識を身につけていく。しかし、その結果はすぐには成績には反映されない。コップに溜まった水がだんだん多くなって、最後にあふれ出すように、あるレベルの知識が頭に入らなければダメなのだ。ある量の知識が頭に詰まると、突然その成果が現れる。それは子供の学習曲線に限った話ではない。趣味の世界でも同じだろう。ピアノを弾くにしても絵を描くにしても、習えば習っただけ上手になるわけではないだろう。あきらめずにコツコツやっていくとある日突然、違う世界が見えてくるのだ。

会社や製品の発展というのも同じかもしれない。志をもって会社を興したり、新しい製品の開発をしたりした場合を考えてみよう。いくらがんばっても会社の発展や製品の進化は直線的には進まない。いくらがんばっても、その努力が報われないときというのは必ずある。でも、あきらめずにがんばっていると、突然前に進むことがある。それはまさに量子的なのである。

それでは、その量子的跳躍はどのようにすれば起こるのか。電子の場合は、次のエネルギーレベルに到達できるだけのエネルギーをもった粒子が衝突することが必要になる。それは確率的なプロセスである。同じようなことが学習や会社の発展でも起こるのかもしれない。外部の何かからの高いエネルギーとの接触。人間関係におけるそれって一体なんだろう?でもなんとなくわかる気がすると思うのだが、どうだろうか。

 
       
 
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