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2005年6月9日
Vol.005
     
会議の意味
 
       
 

企業に会議は付き物である。販売促進会議もあれば安全衛生委員会もあるだろう。職場でのビジネスの戦略やそのほかありとあらゆることは会議で決まる。しかし、会議で一体何が決まるかというと、具体的には何も決まらない方が多かったりする。いわゆる事前の根回しというのが大切で、会議はそれを全員で確認するという「儀式」になっていることも多いのではないだろうか。

私は会議が大嫌いだった。なんだかいくら読んでもわからないようなA3の資料をだらだらと説明され、出てくる質問もピントの外れたものばかり。わかってないやつに何を言っても無駄だ。とっとと会議など終わりにしてくれればいいのに。よくポスターに書いてあるじゃないか。会議は1時間で終わりにしましょうって。大体、会議の時の私の胸の内はそんなものだった。

でも、最近ちょっとそんな思いが変化してきた。会議は楽しいものだ。時間だって長ければ長いほど良い。そんな風に思えてきたのだ。例えば新商品や新サービスの提案をする。大抵は新しい商品などというものは今までに市場になかったものだから、企画会議では反対にあってしまう。だって誰も知らない商品なんだからあたりまえである。

ここでどう考えるかが問題だ。大人数の会議になればなるほど、それは言ってみれば社会の縮図のようなものとは考えられないだろうか。商品を市場に出したときの消費者の反応のミニチュア版が企画会議なのであると見るのだ。いくら斬新なアイデアの商品でも、会議で誰一人賛成してくれなかったとすれば、市場に出しても同じことが起こる可能性は大きいはずだ。とすれば、会議で反論をした人の理由を聞き、それにひとつづつ答えを作っていくプロセスこそが、その商品が市場に受け入れられるための最短コースということにはなりはしないか。

逆説的に言うと会議で反対にあっている内は、その商品は進歩し続けることができる。バグつぶしという形での進歩が続くのだ。そして、全ての人が満足し、誰もその商品に異論を唱えなくなった瞬間にその商品は衰退を始めるのだと思う。多くの人に受け入れられビジネスが成功したと評価を受けたその瞬間から衰退は始まるのであろう。先へ進みたかったら「自分の敵」を自らの中に持つことこそが大切だ。

自分と違う意見を持った人の話に耳を傾けること。それは簡単そうに見えてとても難しいことだ。自分と同じ意見の人で集まって話をつけてしまう方がはるかに楽に違いない。敢えて自分の意見に反対そうな人を会議に入れるのだって同じことだ。シャンシャンシャンで会議が終わった方が楽に決まっている。でも、それでは何も起こらないに違いない。次の企画会議の時、反対意見がでたらニヤッと笑ってみよう。そして言うのだ。「どうもありがとうございます」と。そうすれば商品は市場に受け入れられるはずである。

 
       
 
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