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2005年6月2日
Vol.001
     
商売の神様 松下幸之助
 
       
 

研究員は研究所がなくなり、子会社で営業をすることになった。しかし、研究員は生まれて一度も営業というのをしたことがない。要するに研究しかしたことがない。仕方がないので、元研究員は商売も科 学することにした。だってそれしか出来ないのだから仕方がない。ということで「研究員の独り言」は 「商売のサイエンス」というタイトルで新しくスタートすることになった。まあ、書く人が同じなので多分中身はあまり変わらないかもしれないが、そこのところはご容赦いただきたい。

その記念すべき第一回目は商売の神様松下幸之助についてである。

その前に周辺状況をちょっと紹介しておく。新しい勤務地は、以前の工場地帯の中の一軒家ではなく
新宿パークタワーというずいぶんハイカラなところにある。昼休みに地下に降りていくと本屋さんまである。それだけで何となくうれしい気分だ。ネクタイをちゃんと締めて、首からはストラップに入ったIDカードをぶら下げて、本屋で立ち読みをする。うーん、なかなかサラリーマンっぽくっていいなあなどとつまらないことを考えたりする。今日もふらふらと本屋の中を歩いていると、一冊の本が目に入っ た。平積みになった本が一冊だけ残って、寂しそうにこちらを見ているような気がした。手にとって見ると、かの商売の神様松下幸之助のエッセイ集だった。

今まで私は松下幸之助の本など一度も読んだことがなかった。もちろんあの松下電器を作った人であることは知っていたが、それ以上のことはほとんど知らなかった。でも、研究員改め営業マンになるわけだからその筋の神様の話くらいは読んでおいた方が良いかなあなどという浮ついた気持ちで、その本を購入した。

ところが、この本。とても面白い。書いてあることは同じようなことの繰り返しで、人は謙虚であるべきだとか一生懸命取り組まねばならぬとか、まあ年寄りくさいことが書いてあるだけだ。でも、私はこの本はすごいと思った。でも、なぜかを説明するのはすごく難しい。見方によっては小学生でも分かるようなことしか書いてない。でも、別の見方をすると商売のいや宇宙の真理とでも言うべき内容がちりばめられている、と思う。それは、松下幸之助の書いた文章の問題というより、読む人の受取る感度の 問題といっても良いかもしれない。分かる人にはわかるけど、分からない人にはさっぱりわからない。 そんなものだ。

商売と科学。かけ離れているように思えるけれど、実は大した違いはないのかもしれない。ノーベル賞級の研究の実験データだって、その結果が分かる人にはそれこそノーベル賞級の価値があるが、そのへんの普通の人にとってはただの数字の羅列に過ぎない。

なんだか、松下幸之助の話にはちっとも入らないまま終わってしまうことになってしまった。興味があ
る方は是非氏の本を当たってみてはいかがだろうか。分かるかわからないか。ちょっとした占いのつも りで。

それにしてもあんなすごい人が作った松下電器という会社、改めてすごいなあと思った。未だに家電業界の雄であり続ける大企業の根底には松下イズムが連綿と流れているのだろうと思う。しかし、松下本人も書いているように、全てのものは変化していく。つまり、企業の根底にある哲学さえも変化していかざるを得ないはずである。最初に作った人の大きさが、大きければ大きいほど、それを変えていくにはさらに大きな力が要るはずである。その苦しみの中にあの会社もあるのだろう。

 
       
 
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