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2005年6月17日
Vol.007
     
トラブルを考える
 
       
 

物事にトラブルはつき物だ。新しい製品が世の中に出ると間違いなくトラブルが発生する。予想もしなかったようなことが起こる。それはそうだろう。はじめから予想していたら、何らかのお手当てがしてある訳で、お手当てがしてなかったからトラブルになっているのである。

トラブルは部品の品質が悪かったりすることもあれば、いわゆる人的なミスの場合もあるだろう。とにかくトラブルには何らかの原因が必ずある。火のない所には煙は立たない。

トラブルの意味。それは、その製品の発展への道しるべであると思う。なぜなら、そのトラブルのためにお客様は満足をしていないのである。だから、そのトラブルを解決すれば、その製品は一歩高みに登ることが出来る。トラブルのない製品は直しようがない。だって、文句が何もないのだから、しかたがない。逆に言えばトラブルがおきているあいだは、その製品は発展し続けることが出来るのだ。トラブルのない製品を作るためにはトラブルが必要であるという、なんともややっこしい話になってしまった。

しかし、ここで注意しなければならないことがある。それは、作り手がそのトラブルを自らの問題として受け入れ、真摯に解決に向かって取り組むかどうかという点である。トラブルやクレームを顧客のわがままと言って切り捨てたり、下請け会社のせいにしているようでは、製品の進歩はおぼつかないだろう。全ての原因を自らの責任に 帰し、全力でその解決に取り組まなければならないのだ。これは、そう簡単なことではない。常に自分を省みて、他人の責任にしていないかと問い続けられなければならない。なんともメーカー稼業というのは、たいへんなものなのだ。

悲観的になることも超楽観的になることもなく、淡々と目の前の問題に取り組み、一つ一つ解決していく。それが、その製品の発展につながっていく。いや、そういうバグつぶしのプロセスがなくなったとき製品の寿命というのは終わるのかもしれない。完成されたまま輝きを放ち続けるものなどありはしないのだ。全てのものは、そこに 存在するために変化し続けなくてはいけない。

そういえば、最近大リーグで活躍するイチロー選手の打率が3割を割ったというニュースを見た。でも、当のイチローは結構落ち着いて、スランプを楽しんでいるようにさえ見えるのだという。きっと彼は、自分のトラブルの原因を探っているに違いない。彼ほどの選手になると、そうチョコチョコとトラブルはやってこない。だから、たまにトラブルが起こると、待ってましたとばかりに、その原因の分析を始めるのだろう。そんな気持ちで自分の育てている製品と対峙したいものだと思う。

 
       
 
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