トランジスタのベース・エミッタの間というのはダイオードと同じだと以前説明しました。
このことからトランジスタの入力側の交流抵抗を求めることができます。
ダイオードにかかる電圧Vと電流Iの式は
I=Io(EXP(V/VT)-1)
となります。(難しい半導体理論はここでは置いておきましょう。こんなもんだと思ってください。)式の中のIo 、VTは定数です。ここでVT は温度に依存する値で、常温では約25mVになります。この値は、回路計算では良く使う値なので覚えておいても良いかも知れません。
VT≒25mV
上のダイオードの式でダイオードにかかる電圧(つまり回路の入力電圧)が25mVより十分大きければ、指数関数は1より十分大きくなりますから、式の中の1は無視しても差し支えなくなります。この近似を使って入力交流抵抗を求めると
ri =1/(dI/dV)=1/(Io/VTexp(V/VT))=VT/I
となり、例えばベースに流れる電流が1mAだとすると
ri=25mV/1mA=25オーム
となり小さな値となります。このことは余り大きな電流を流す事が出来ないセンサなどを使う場合は問題になることがあります。入力の抵抗は大きい方がセンサにとってはいいのです。 |