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第12回 トランジスタによる増幅回路

 


センサ道場第12回の登場です。11回から大分間が開いてしまいました。
前回はちょっと寄り道しましたが、今回はお話を元に戻して再びトランジスタのお話です。


 増幅って一体何よ?


前々回のセンサ道場までで、一応トランジスタ回路の抵抗の値などの決め方までは学習しました。しかし、トランジスタ回路って一体何をするかという一番根っこの所のお話を置いてきたままでしたね。果して、この回路で何をするんでしょうか。

 

 

この図は第10回の時に動作点の説明の時に使ったものですね。抵抗値をうまく選ぶことによってトランジスタと抵抗の両方の言い分を満足するQという点で回路は動作することは既に学びました。この状況でもしベース電流IBをちょっとだけ変化させると、Qはどうなるでしょうか。

トランジスタの言い分の曲線はIBの大小で図のように変化しますから、それに従って動作点Qも変化することになります。そのことによって結果的にコレクタに流れる電流ICが大きく変化するのです。これがトランジスタの増幅作用なのです。

ついでに言っておくと、このような回路動作は動作点Qの周りでチョコチョコおこるので、前回お話した交流抵抗の概念を使う必要があるのです。

 

 


  入力抵抗について

トランジスタのベース・エミッタの間というのはダイオードと同じだと以前説明しました。
このことからトランジスタの入力側の交流抵抗を求めることができます。

ダイオードにかかる電圧Vと電流Iの式は

I=Io(EXP(V/VT)-1)

となります。(難しい半導体理論はここでは置いておきましょう。こんなもんだと思ってください。)式の中のIo 、VTは定数です。ここでVT は温度に依存する値で、常温では約25mVになります。この値は、回路計算では良く使う値なので覚えておいても良いかも知れません。

VT≒25mV

上のダイオードの式でダイオードにかかる電圧(つまり回路の入力電圧)が25mVより十分大きければ、指数関数は1より十分大きくなりますから、式の中の1は無視しても差し支えなくなります。この近似を使って入力交流抵抗を求めると

ri =1/(dI/dV)=1/(Io/VTexp(V/VT))=VT/I

となり、例えばベースに流れる電流が1mAだとすると

ri=25mV/1mA=25オーム

となり小さな値となります。このことは余り大きな電流を流す事が出来ないセンサなどを使う場合は問題になることがあります。入力の抵抗は大きい方がセンサにとってはいいのです。

 


どうでしたか? 分かりましたか?

次回もまだまだトランジスタについての講義が続きます。
次回は増幅回路の増幅ゲインの求め方です。ご期待下さい。


  

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