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実は、実際に使われているバイアス回路は以下のようになっているのです。
下の回路2の回路は、実は上の電池2個を使った回路と等価なのです。
回路2
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一体どうしたらこの2つの回路が等価になるのでしょう。
そこで、第1回で勉強した「テブナンの定理」の登場です。
テブナンの定理とは「如何に回路の構成が複雑であっても、Vボルトの電池とRオームの抵抗をつなげた回路だと思って良い」ということでしたね。
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トランジスタのベースから左側を見たときの抵抗値と電圧をもとめて見ましょう。
RCやRE及びトランジスタは、その両端がVCと決まっているので、電圧の計算には関係ありません。つまり、左の図1のように考えれいいわけですね。
よって、テブナン電圧は電池の電圧VcがRB1とRB2によって分圧されていますから、
VB1=RB1VC/(RB1+RB2)
となります。
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図1
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次に抵抗値について見ていきましょう。
テブナン抵抗を計算するときは電池をショートして考えるので、RC、RE、トランジスタは両端がショートされ、やっぱり計算には考えなくてもよくなり、下の図2のような回路となります。電池はショートしているので、RB1とRB2は並列につながっていることになります。したがって、ベースから見た抵抗は
RB=1/(1/RB1+1/RB2)
となり、めでたく回路1と同じ構成になりました。
よって、電池は1個で大丈夫なのです。
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図2
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→
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このように考えると、回路2は回路1と等価となるため、トランジスタを動かすために必要だった電池が不要になります。
よって、トランジスタは実際には回路2のように使われているのです。
トランジスタなんて難しくてよく分らないや、と食わず嫌いになっていたあなた!
どうでしたか? とても簡単でしたよね?!
次回もまだまだトランジスタについての講義が続きます。
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「センサ道場」はこれからもどんどん続きます!ご期待ください!!
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