“続”研究員の独り言 トップへ

 

     

2005年3月28日

Vol.081

     
アイディアとは何か
 
       
  何をするにしてもアイデアが大切だという。では、斬新なアイデアはどうやって生まれるのか。
いろんな知識を知っていることも大切だろう。一生懸命考えることだって必要だろう。
それだけあれば、誰でもいいアイデアが生まれるか?答えは否である。それだけではだめだ。

アイデアが生まれるためには勇気が一番必要だと思う。それはアイデアとは何かを考えてみればすぐ分かることだ。新しいアイデアというのは、今までに考えられていなかったことである。それはそうだろう。どっかで既に提案されていたアイデアでは、斬新なアイデアとはいえないだろう。特許ももう出願されているかもしれない。下手に使ったら大変なことになる。200億円払えといわれてもそんな金はどこにもない。

だから新しいアイデアというのは、誰も今までに考えたことのないものである。そんな当たり前のことが何を意味するのか。それは、誰もそのアイデアに同意してはくれないという悲しい事実をつきつけてくる。だって、そのアイデアを聞いた全ての人は、そのアイデアを知らないのだから、同意しようがないではない。ここまでアイデアという言葉を使ったが、それを研究と置き換えてもいい。他人に認められた研究は実はもう研究などではない。それは作業だ。

研究でもアイデアでも、最終的には多くの人の役に立たなければ意味を持たない。その点においては研究やアイデアは多くの人に理解されなくてはならない。しかし、それが最初から万人がわかるようなものであるはずがない。すごい研究というのは、最初は誰も分からず、多くの人から拒絶を受けるのだ。それは、すばらしいアイデアが世の中に出てくるための儀式といってもいいだろう。

そういうプロセスを経ていないテーマはインチキである。研究をする人は、進んで人の拒絶を受けよう。味方など作ってはいけない。孤軍奮闘孤独に戦うのだ。どこまで一人で戦えるかでそのテーマの価値は決まる。どこまで一人でがんばれるか、その人の勇気によって研究の価値は決まるのだ。

私の勤務するフロンティア研究所は19年間という長い間、ある意味において常に会社と対峙してきた。ガス事業に直接役に立たない研究を認めてくれる人はほとんどいなかった。その中で我々は孤軍奮闘し続けた。そしてついにいくつかの成果が、製品となり世の中に生まれていった。皮肉なことに、まわりの人たちに我々の研究が理解され始めたとき研究所はその使命を終えることになった。私は、それはこの研究所の意思だったように思えてならない。フロンティア研究所は、最後まで研究をする場であることを望んだのだ。私はそんなすばらしい研究所において仲間と一緒に仕事が出来たことをとても幸運に思うし、誇りにも思う。

このホームページを運営しているフロンティア研究所は、3月一杯をもって閉所となります。それに伴いフロンティア研究所から情報発信はこれで終わりということになります。長い間ご支援いただたいた皆様に心より御礼申し上げます。4月以降の運営については現在調整を行っております。また、皆様にお目にかかれることを心から祈念しつつ、ここに筆をおくことといたします。


研究員の独り言、続・研究員の独り言 著者 安部健

 

 
       

       


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